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ドストエフスキー『二重人格』

ドストエフスキー『二重人格』について。だいぶ前に読んだものについての感想。

主人公ゴリャートキンのダメ人間&小心翼々ぶりが非常に痛々しく、能力と理想のギャップに苦しむ人間の苦悩をギチギチと描いており、読んでいてかなり苦しい。
惜しむらくは新ゴリャートキンが旧ゴリャートキンのコンプレックスから生じた幻影だということが今ひとつ分かりにくいということか。それゆえにこそ読んでいて主人公の苦しみっぷりが伝わってくるということもあるのだが。あとはそういった人間の描写を通じての哲学的な問が今ひとつ掘り下げられていない点も不満かも。晩年の著作と比べてはいけないのかもしれないけれど。

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2007年01月05日 00:04に投稿されたエントリーのページです。

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