2011年01月
丸の内「Au goût du jour nouvelle ère」に行ってきた  (2011.01.22)


金曜日は、新丸ビルにある「Au goût du jour nouvelle ère」(http://www.augoutdujour-group.com/no/index.html)に行ってきた。いわゆるAu goût du jourグループのレストランでは比較的ヌーヴェルキュイジーヌ寄りの料理を出す店で、系列店では大昔に銀座にあるメルヴェイユには行ったことがあるのだが、この店は初めて。ミシュランでも3年連続で1つ星を取っている店でもあり、やはりこの日も満席。

基本的にはこのレストランは質を維持するためにプリフィクスのコースを二種類選べるだけであり、今回食したのは1万3千円の「エスポワール」コース。高くないと言えばウソになるが、質を考えればむしろ割安かと。

コースの内容は以下の通り。料理の名前はかなり正確性を欠くのでその程度だと思ってください。

0. アミューズ・ブッシュ:チーズを揚げたものと、確かアスパラかなにかのムース仕立て
1. 山口県萩産鮮魚のポワレ、聖護院かぶのコンソメ仕立て、エビ芋のクロメスキを添えて
2. ラングスティーヌのポワレ、エストラゴンのグラチネにパスタをクリスピー仕立てで
3. 本日の魚:カサゴ(調理法は忘れた)
4. メインの肉:シャラン産鴨のワインソース仕立て、黒トリュフを添えて
5. チーズ盛り合わせ(オプション):シェーブルやエポワス、コンテなどを食べた。
6. デザート:私が食べたのはタルト・フロマージュ。
7. コーヒーへのプティ・フール:アーモンドソースのムース仕立て、フロマージュ・ブラン和え

飲んだワインは以下の通り。
・J-M. Boillot(白)2006年/Meursault
・Ch. Haut-Brion(!) 2004年/ハーフボトル
あとは食前酒でシャンパーニュ。
以下感想。

今回の料理でまず特筆に値するのは「山口県萩産鮮魚のポワレ、聖護院かぶのコンソメ仕立て、エビ芋のクロメスキを添えて」の上品かつ極めて洗練された奥行きのある味だった。おそらくは昆布の出汁も利用しているものと思われるが、口に入れた瞬間に感じられる比較的派手目の味わいは紛れもなくハーブ系のブイヨンを自作して使用しているものと考えられる。聖護院大根はそれでいて煮崩れることなく、上品な姿と共にボリューム以上の満足感を与えてくれる。
次いで供されたラングスティーヌのポワレは、それ自体が持つ豊かな歯ごたえをうまく活かして前の料理との差別化を行うことに成功している。パスタのクリスピー仕立ては少々切るのに苦労したが、サクサク感は日頃食べ慣れた食事を思い起こさせ、食べていて一息付ける。
カサゴの料理は詳しいことを失念したのだが、ソースにコクがあり、カサゴの歯ごたえをスポイルせず、風味を残した仕上がり。ただやや平凡か。

シャラン産の鴨の料理はこの店の得意技の一つだが、ありがちなスライスで供するのではなく、ボリューム感のある塊(といっても勿論そんなに大きくない)で出すあたりに自信がうかがえる。ソースはビネガー、或いは酸味が少し弱いため、ワインで補いつつ味を組み立ててやらないとどうしても平凡なものに堕する可能性があったことは指摘しなければならないが、恐らく鴨の血も使ってソースは作っているのだろうと思う。実際ボリューム感のある豊かな味わいは鴨の独特の食感と肉汁に残る風味をうまく引き出すことには成功している。それでも一緒に飲んだシャトー・オーブリオンには少し負けていたかもしれないし、個人的にはもう少し柑橘系のソースを加えてもいいとは思うが、それでも十分すぎるほどの水準に仕上がっている。

デザートは目でまず楽しめる美しさ。この店のシェフは元々パティシエ畑の人らしいが、事実肉系の味とはまた違ったコントラストを演出しており、特にタルトフロマージュに含まれていたラズベリーの香りは口内の肉の悪い意味での香りを中和してくれ、酒で火照った舌を休めてくれる。またプティ・フールはアーモンドの香りが非常に香ばしく、幸せな気持ちで店を出ることができる。

総じて言えば、全くの問題なしとは言えないが、それでもコストパフォーマンスを考えれば極めて高いレベルの店に仕上がっていると言っていいと思う。特に魚料理の水準については全く文句の付けようがない。鴨については個人的な嗜好が判断に及ぼす影響が大きいので、こればかりは他の人の意見も聞かねばなるまい。

ただ敢えて苦言を呈するとすると、これは店の人も認めていたのだが、赤ワインのリストが余りにも貧弱であるという点だ。1.5万円を超えると、あとは7万円以上のワインしか実質的に選べないというのはいくら丸の内のレストランであってもまともではない。オー・グー・デュ・ジュール系の店はいずれもBYO(持ち込み)を3000円くらいのオプション料金で認めてくれていたと思うので、この店に時折行くのであれば赤は持参した方が無難かもしれない。

それはそうと、我々一行がいたテーブルのすぐそばで、どこかの会社の偉いさん(部長くらい)の人が恐らく同じ会社の女性を連れてきてて口説いてたっぽいんだが、ケインズ左派の殆ど常識レベルの話とか乗数プロセスとかの高校生でも知ってるような話をさも凄そうに大声でワーワー話してたので正直飯がまずくなりそうだった。メシ食ってるときくらいゼニの話するのやめてくれよ……と思ったら今度はこれまた世界史で習うようなルネサンス美術史の話で何だか泣けてきたでござるよチェザーレ。
そんなわけなので、おいしいご飯を食べるときには話題にも気をつけましょうという話でした。


中華ロイドタブレットとHTC Ariaを買った  (2011.01.17)


旅先では写真を2000枚くらい撮るので、その中からセレクトして現像に出したとしても大体6〜7000円位の費用がかかります。さすがにすぐ見られるというハンドリングの良さはあるのですが、最近ではアルバム保管場所という問題も看過できない水準になってきたので、ここはチャレンジも兼ねてタブレットPCでの閲覧環境の整備を行うことにしました。
とは言っても小生はApple、就中その社長と脳の爛れた信者達の集団が巨人ファンより嫌いなので、当然ながらiPadは買いません。ソフトバンクも以前Yahoo!BBでトラブルがあったので基本的にはNGです。Galaxy Tabもサムスン製なので当然選択肢からはずれます。といった具合でどんどん選択肢を自分で狭めていった結果、候補に残ったのはいわゆるaPadとか中華ロイドとか言われるAndroid採用中国製タブレットPCでした。

どれを買うべきか色々と調べてみたのですが、何せ情報が余りにも少ないため、正直何を選んだらいいのか分かりません。唯一CamangiのFM600は元KDDI関係者が会社立ち上げに携わっていることもあって素性がはっきりしているのですが、いかんせん価格が高い。そんなわけで実際にものを見てみないと分からないということで、秋葉原の外れにあるNEXT FUN(http://shop.apadjp.com/)に行って色々と相談しつつ選ぶことにしました。

で、結果選んだのはSL-7というタブレット。OSはAndroid2.1なのでFlash10.1は入れられないという問題はある(あれやこれやでいじれば入れられないこともない)のですが、マルチタッチに対応していたり、動画再生専用CPUをサブコアで積んでいるなどの魅力があり、しかもそれで約25K円というコストパフォーマンスの良さもあり、購入した次第です。ちなみにmicroSDも使えるので16GBのを別途調達しておきました。

以下1週間ほど使ってみての感想です。
まず、画面サイズが7インチなので、某GalaxyTab向けに作られたサードパーティー製ケースが使えます。ただし、SIMカードスロットは搭載していないので、ネット接続は自前で用意してやる必要があります。当然無線LAN。
また、ファームウェアがまだ枯れていないせいか、やや動作が不安定です。特に電源周りの管理が甘いようで、充電ケーブルを外すと確実にフリーズします。というわけで使用と充電は切り分けた方が賢明です。SDカードの読み込みについても一部難があるようです。
ただ、本体フラッシュメモリは4GBあるし、画面もSVGAの割にはガラスディスプレイで綺麗だし、静電容量式タッチパネルなので結構ヌルヌルと動きます。CPUはRockchip RK2818 (ARM9 600mhz)とちょいと遅いのですが、動画専用サブCPUを積んでいるので、720Pの動画でもかなりなめらかに再生できます。バッテリー容量も4000mAhあるみたいなので、激しい使い方をしなければ4〜5時間は持ちます。

そんなわけなので、普通のPCとは思わず、あくまでマルチメディアビューワー+フラッシュ以外のブラウズ端末と考えれば非常に快適です。AndroidMarketにも対応しているのでShimejiも含めて色々とインストールできるし。当然z4Rootを使ってのあれやこれやも自由にできます。

しかし、これを一旦外に持ち出すと、特にネットにも繋ぐことができなくなるため、ただの馬鹿でかいビューワにしかなりません。やはりネットに繋いでこそその真価を発揮するわけで、ただのビューワであれば比較的画面の大きいDAPでも別に問題はないし、その方がコストパフォーマンスも高いわけです。
そういうわけで当初はEMobieのPocketWifiを検討したのですが、単なる無線ルータとしては月額コストが高い。海外のスマートフォンはテザリングできるのが多いのになあ……(ただし料金体系は日本とやや異なるケースが多い)と探していたところ、同社のAriaというスマートフォンがヒットしたわけです。テザリングもできるしAndroid2.2だしこいつはすごい! 本当はauのレグザスマホを検討していたんですが、Android2.1だし、ドコモ版は店頭でいじったところ予想以上にガッカリな出来だったので、スマホキャリアとしてのauにはもう見切りを付けて、しばらくは2台持ちにしてしかるべき後にどこかのキャリアに統一する方針でariaを購入した次第です。

さて、数日使ってみましたが、テザリングするとバッテリの減りが凄まじいです。フル充電からでも3〜4時間持てばいい程度でしょうか。また、通常使用でも丸1日持たないかもしれませんです。そんなわけなのでeneloopのモバイルブースターは必須。
また、本体のメモリが384MBとちょっと少ないので、インストールするアプリは選別する必要があります。動作はかなりヌルヌルしているので非常に良好です。

細かい使用状況はまた後日継続レポートしますが、テザリングを黙殺している日本のキャリアの後進ぶりが目に付いた今日この頃なわけです。


無事帰国しました  (2011.01.03)

というわけで、トラブル等は数え切れないほどありましたが、無事帰国いたしました。時差ボケは全くないのですが、心身ともに疲労が極めて激しく、体調も少し崩しております。

旅行記は写真等のとりまとめが終わってからアップしたいと思いますが、チュニジアについては以下のような所感です。

・風景や食い物は最高。辛いものが得意なら全く問題はない。
・しかし、高い失業率(都市部で平均20%、地方だと40%を余裕で超える)やチュニジアディナールの国際的地位の低下による輸入品の価格上昇に伴い、人心の紊乱は著しいものがある。ただし治安が悪いわけではなく、むしろパリやマルセイユなんかよりは遙かに安全ではある。悪いのは風紀。
・というわけで、初めて行くなら(語学ができたとしても)個人旅行は余りお勧めできない。最初はパックツアーなどで慣らしておいた方がいいです。

といった感じです。


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