11月30日
とある機会に『残酷な天使のテーゼ』と『ゆずれない願い』のパラパラver.を聞く。
めちゃくちゃヘタ。
どうやら歌っているのは石田燿子(『セーラームーンR』ED「乙女のポリシー」を歌っているらしい)とかいう人らしいんですが、アレンジが腐っている(つーか手抜き)のに加え、音程は甘いし声量は足りないし声音は艶がないしハッキリいって素人のカラオケ並。いや、素人以下だね。プロデューサーとして参加しているというおたっきぃ佐々木、同じパラパラアレンジなら丹下桜&氷上恭子『あなたに会いたくて』Millenium ver(二人ともド下手だが、アレンジのまともさで救われている)とか『Party☆Night』hyper-parara ver(歌い手に合わせたキー設定の勝利)あたりのアニソンの爪の垢でも煎じて飲めやゴルァ!
そもそも、上記二曲を元々歌っているのはそれぞれ高橋洋子と田村直美なのだが、この二人の(マイナーながらも)実力はハンパなものではなく、その歌もカラオケで素人がウカツに手を出せるようなレベルのものではない。高橋洋子は『無限抱擁』とか『魂のルフラン』あたりを、田村直美は『光と影を抱きしめたまま』とか『Blood, sweat&guts』などを一度聴けば、プロの凄まじさというか一般人お断りの実力が判ると思う。
そもそも、今日日のアニオタ&ゲーオタな人々は名は知れてないけど実力だけはバリバリにあるシンガーの歌を聞き慣れているから、浜崎あゆみを聴いて涙するような(爆)フツーのリスナーよりも遙かに耳が肥えているのだよ。

というわけで、スガワラ的お奨めマイナーアニソン&ゲーソン系女性ボーカル便覧。

お名前 コメント
高橋洋子 1オクターブ以上音が動いても軸の崩れないタフさ、聴いていて採譜のできる音程の正確さ。馬力のあるボーカル。プロとはこういうのを言うんではないでしょうか。『新世紀エヴァンゲリオン』関連の歌でおなじみ。
中司雅美 透明感があると同時にメリハリのあるボーカルが魅力。でも本人作詞の曲は歌詞の内容が古内東子ばりにスカスカなのでお奨めできませんな。だからアルバム『雨』は中古屋で買うかレンタル屋で借りてくるのが吉。PS版『To Heart』で歌っている。
大藤 史 柔和な声と抜群の強弱のコントロール力。往々にして声量のある人は何でもffで歌っているようにしか聞こえない場合があるが、彼女の場合はそのあたり実に正確に歌ってくれるので聴いていて安心できます。彼女の歌う『季節を抱きしめて』は日本にいたときは携帯の着メロだった(わら
有坂美香 『無限のリヴァイアス』でTS『dis-』を歌っていた人。安定感のある太いボーカルと正確無比のリズム感が聴いていて実に心地よい。R&Bの流れを感じさせるが、実力という点においては宇多田ヒカルとか倉木麻衣の比ではない。
Lia 『Air』でOP『鳥の詩』などを歌っている。透明感があり、高音部のノビにムリがなく、聴いていて実に心地よい。声量がやや足りないという難点はあるが、音程は実に正確。また、音価もしっかり守って歌っているので、妙なところでアドリブかまされてイライラすることがない。

他にも皆谷尚美とか小畑由香里とか石塚早織とか大槻真希とか霧越美麻とかそれなりに名前の知られている米倉千尋とか新居昭乃とか奥井雅美とか鈴木結女とか奥井亜紀とか挙げればきりがありませんが、今日はこの辺で。


11月26日
今日において、「思考すること」はアドルノのまさに言うとおり、一つの特権になりつつある。経験の神格化、主観の直接性の絶対化、そのようなヘゲモニーの中で、自己に逆らってまで客観を目指すこと。
なぜ、「自分の感じたこと」がそれ自体としての絶対性を持つ程までに今日神格化されるのか。社会的に媒介されたものでしかない自己の主観は、それを絶対化することにより、恐らく自己意識の子宮の如き避難所として機能するからだろう。物象化された今日の現状において、社会的、あるいは文化的に構成される自己というイメージに我々は今日耐えきれないのだ。
だが、それを超えて敢えてそれらの媒介の中に自己意識が編成されているのだということを意識した上で思考することこそ、本当の意味での主観のポテンシャルだと思うのだが。


11月23日
クレディ・リヨネピラミッド支店のNさん(日本人)、書き出し「前略」の結びは「敬具」ではなくて「草々」ですよヽ( ´ー`)ノ


11月18日
書類書類書類キーーーーーーーーーーー!

という激怒の叫びはおいといて。
フランスでは与党を除名になったチベリ氏(現パリ市長)がマジ切れして逆襲に出ているらしい。で、ユーラシア大陸の東の端では森総理が内閣不信任案で轟沈するとかしないとからしい。森は就任直後から「神の国」とか「国体護持」とかの武運長久八紘一宇藤原信勝な事を言って大いに笑わせてくれたものだが(ついでにナカータ@ローマにも鼻であしらわれたのはさすがに涙を誘ったな)、まあPHSと携帯電話の区別が付かないひとはITとか言わない方が良かったんじゃないの?とは思うよ。
IC(Integrated Circuit)とIT(Informatics Technology)の区別がつかんのじゃ、ハードウェアとソフトウェアの区別が出来ていないってことでしょ?
ハードウェアとソフトウェアの区別が付いていないって事は第四次産業とかポスト工業化社会という概念も知らないってことだろ?
真剣にこのオッサンの脳味噌のヘタれ具合が心配になってきた。アスキーをクビになった西和彦とか悪役レスラー飯野賢治(背が高くて態度だけはデカいから)あたりをいっそのこと総理大臣にするというのはどうだ?それとも大口を叩かせたら世界一のラリー・エリソン(オラクルCEO)も悪くないな。
誰だ、ケビン・ミトニックを呼べと言っているやつは。俺か。


11月15日
なんでこんなに書類を書かにゃあならんのだ〜!!
引っ越しは終わったが、事務の繁雑な手続きに菅原は爆死したのでした。
まさにこれってカフカの『城』の世界だよ(ρ_;)

部屋が荒れてきたので片づけ。


11月12日
というわけで『Air』レビュー、書いてみたさヽ( ´ー`)ノ
結局かなり専門的な知識を要求するものになっちまったな。これじゃあ読む人によってはゲーム本体より難解だとかいうことになるなあ。用語解説を後日付けようかな。
一応簡単にここで解説を付けておくと、
アドルノのロマン主義評価
アドルノは基本的にはロマン主義に反対の立場をとるが、それでもロマン主義は「人間」の確立に貢献したとして一定の評価を与えている。
フロムの皮肉
『愛するということ』において、エーリッヒ・フロムは現代が恋愛至上主義の傾向を有していることを批判している。
武満徹『Family Tree』
武満徹の晩年の作品。『系図 ―― 若い人のための音楽詩』というのが日本語でのタイトルで、そのライナーの中で彼は「家族」が歴史を貫く最もコアなユニットであると言っている。無論、これはいわゆる通俗化した親孝行礼賛とは次元が違う。実際、同作品で引用される谷川俊太郎の詩の中では、「私」である少女の家庭はかなりメチャメチャである。同作品のCDはフィリップス等から発売されている。
止揚・揚棄
いずれもドイツ語Aufhebenの訳語。元になっている動詞aufhabenには「保存する」「高める」「破棄する」等の意味があり、これらの概念の重層性を利用してヘーゲルは弁証法を展開している。
フーコーの『言葉と物』の末尾
フーコーは20世紀フランスの思想家。エピステーメーの移動を追った著書『言葉と物』の最後で、彼は「人間はやがて波打ち際の砂のように消えていくだろう」と宣言した。これがいわゆる「人間の死」である。
といった感じです。


11月10日
引っ越し続行中。

MTCIが潰れたという話を聞いた。
経営状態がかなりまずいとか株主総会が大混乱だったとかという話は以前から耳にしていたが、いざこうして潰れてしまうとちょっとした感慨がある。MTCIは以前Asahiネットがまだ定額+従量制(かなり高め)のサービスしか提供しかしていない頃に入会を検討したことがあるし、某氏と色々あったときにはユーザーサポートのスカポンで読解力ゼロの対応ぶりに大いに爆笑させてもらった記憶がある。
日本もインターネット常時接続の時代に入り、ダメプロバイダは淘汰されるようになりつつあるということなのかな。


11月9日
やっとこさ永住の地(たぶん)tunnel-company.comにて店開き。これも友人の岩井氏のおかげだ。
引っ越し本格作業第一日目。衣類と本を新居へ運ぶ。電気と電話の手続きなどで混乱というかフランスお得意の官僚主義のおかげで一日潰れる。なんでこんなに沢山書類が要るんだ?
帰り、RERがトラブルでダイヤ乱れ発生。田中宇氏もここでアメリカの地下鉄事情について書いているが、これはフランスも結構似たり寄ったりで、パリの地下鉄は本当にオンボロだし(1号線と近年開通した14号線はそれなりにキレイだが)、トラブルも多い。駅は薄暗いし、通路によっては小便臭い。それでも苦情の嵐が起きないのは定期ならそれなりに低料金だからなのだろう。
でも営団地下鉄並みとは行かないまでも駅はもう少し明るい方が深夜などは安全なのでは、と思うが。どうせフランスにゃあ電力は売るほどあるんだし。

ネットサーフィンついでにKey『AIR』のレビューを見て回る。そのいずれにも満足できず。確かに以前の『One』や『Kanon』に比べるとかなり難解で、初回ロットで12万5000本も出荷されているとはいえプレイヤーを(多分に解釈力で)選ぶ作品ではある。私にも未消化の点がいくつかある。
こりゃあ近日中にレビューを自分で書くか。『One』川名みさき論の全面改訂もしなきゃいけないのだが。

久しぶりに高橋洋子『無限抱擁』を聴いて涙する。


11月7日
何かと忙しい日だった。朝早起きして不動産屋→銀行→大学→帰宅。
講義には遅刻したが、ハイデガーの『ヒューマニズムについて』の基本的な説明だったので退屈して寝る。唯一面白かったのはハイデガーのシュピーゲル誌でのインタビューの話。でも基本的にハイデガーは嫌いなので(というか哲学者としても人間としても許せない)、興味があまり湧かない。だってヤツの基礎的存在論って否定神学のパラフレーズとしか思えないんだもんね〜。


11月6日
午前中は銀行にて色々書類の手続き。面倒くさい。ダメな先客についての八つ当たりを露骨にする日本人行員に少々苦笑。
午後、送金したのに行方不明になっている(!)送金為替について実家より連絡あり。フランスで郵便物がらみでのトラブルはこれで5回目。恐らく、というかほぼ間違いなく、フランスは公共サービスの点については先進国ではない(ドイツ、あるいは日本の方が遙かに先進的である。異国にいると分かるが、日本の公共サービスは、コストは高いが世界でも指折りの優秀さを誇っている)。つまり、19世紀までに植民地から徹底的に収奪した富の遺産でパリを世界有数の観光地にし、上下水道を整備し、核兵器を開発して原子力空母を配備しているというわけだ。それでもってアラブ人を差別してりゃあ言うことナイね(フランスではアラブ人は人間扱いされていないということはタブーであるが事実である)。めでたいめでたい。
来るはずの不動産屋からの連絡なし。電話するも担当者不在。死んだか?……と書いていたら電話が来た。どうやら今週末には引っ越せるのかな?


10月某日
ふとしたことでパリに住む日本人の大半がフランス語はおろか英語すらまともに話せないという衝撃の事実を知る(地方都市ではそんなことはなく、駐在員以外のほとんどの日本人がフランス語を流暢に操る)。


何だそりゃあ?(CV:松田優作)


つーことはナニですかい、わしが中学高校生時代に泣かされた間接話法も自由間接話法もジェロンディフも接続法も条件法も単純過去も半過去も大過去も前過去も前未来もなぁんにも知らねえでパリジャン、あるいはパリジェンヌを気取るってわけですかい?
フィガロ・ジャポンもビックリだ。めでたいねえ。